期待に胸を膨らませて読み始めた『サロメ図像学』、がっかりです。著者が、アノ井村君江だし、推測推定というかもはや憶測っぽいし、文章に主観が"見え隠れ"なんて話じゃない。掲載してる図版、ちっちゃすぎるし。
こういう一般向けな図像解釈本は、図版の分析がどうも叙情的な気がします。も少し、冷静にみておくれ。エッセネ派への言及は面白いけど、その言及によってそれまでの文章を全て打ち消してどうするよ。どうせ打ち消すなら、あんなにページ割いて説明するなよ。しかもまだ1/3程度しか読んでないけど、ヨハネに関する記述の方がサロメに関するそれより多い気がする……。
トドメは、洗礼者ヨハネとイエスの弟子にしてヨハネ福音書のヨハネの二人を取り違えてる部分。根本的すぎて何て言ったら良いか。ミスにしても迂闊すぎるし、無知にしても勉強不足過ぎ。
うぁぁ。大後悔。
井村君江って、妖精なんてものを研究してて、「私には妖精が見える」なんて言っちゃう人です。(いや、こういう研究自体にケチつけたいんじゃなくて、何と言うか、妖精物語を生み出すその社会の心性を研究するなら良いんだけど、オカルト的過ぎる解釈はダメだよねって事。面白くはあるけどさ)

何だか、うちの学校のギリシア哲学のI助教授と似てるような気がします。「イデア? あるわよ。人類の目指すべきホライズンなの。」の人。

2006.08.13